救われる命、救われない命
「あの老犬は危険です。ふだんは大人しいのですが、突然、人を噛もうとします。たとえ里親が見つかっても、人間に危害を加える可能性が大きいです。迷い犬を保護した方にも電話をして納得していただきました。残念ですが安楽死になります」。犬を預かった保健所の担当者が言葉を選びながら、無念そうに話します。
「迷い犬を野々市町内で保護して警察に届けたけれど、気になってFM-N1に電話しました。飼い主が今ごろ懸命に探しているかもしれないから」。先週の木曜日、リスナーからのこの電話を受けてすぐに番組内で続けて呼びかけましたけれども、飼い主は現れませんでした。いつもなら、数件の問い合わせがあります。この反応のなさから、「ひょっとして」と疑っていたところでした。
「本来なら、飼い主が責任をもって最後まで看取るべきですが、病気の犬を世話できなくなって、捨てたのかも知れません」。保健所の人の指摘にうなずくしかありませんでした。動物愛護法では「愛護動物を遺棄した者は50万円以下の罰金」と定めています。しかし、法律やモラル以前に、人に危害を加えるかも知れないことを分かっていて捨てたのならば、その人の想像力のなさに憤りを感じます。
環境省の調べでは、日本で1年間に約14万匹の犬が自治体などに保護され、11万3千匹が殺処分されています。差し引いた3万匹が飼い主の元に戻ったり、里親に引き取られます。FM-N1では、柴犬のブリーダー・松平博之さんが提唱する「わんわんピース」に賛同し、犬の里親探しなどを応援しています。迷い犬の呼びかけに思わず力が入るのも、局の方針はもちろん、個人的にも愛犬家であることが原動力になっているようです。
「野々市町は、他の市町に比べて保健所に引き取られる犬が少ないことが特徴です。松平さんの里親探しの活動やFM-N1が熱心に迷い犬などを呼びかけていることが大きいと思います」。
保健所の担当者から、お褒めの言葉をいただいてうれしいのですが、今回のケースのように全ての命を救えるとは限りません。松平さんの番組「わんわんピース」(毎週木曜午後1時~放送、同午後6時半~再放送)のキャッチフレーズは「人も犬も地球の大切な仲間」です。
人間の関係は社会生活の基本です。そして、人と伴侶動物との関係もまた大事であることを考えさせられた1週間でした。















