カバは逆立ちしてもカバ
2011年1月26日 16:58
「これ聴いてみいや。」と上司Mさんに言われたのは昨年夏頃だっただろうか・・。
渡されたのは1本のカセットテープでした。
デジタル時代の現代において、アナログの代物です。
おそるおそるそのカセットテープをデッキにいれると流れてきたのは
吉田拓郎の「イメージの詩」でした。といってもいつも耳にする音とは違う・・
そのあとに「今日までそして明日から」「雪」~最後は「人間なんて」と
吉田拓郎の作品20曲ほどがメドレーになっていたのです。
「いや~Mさん、おもしろい音源があるもんですね!」というと
「昔、競馬場に行った帰りに必ず車で聴いてたわい。」とMさん。
「でも吉田拓郎の声とちょっと違うような・・」
「そんなもん、何年も前のカセットやぞ!テープが伸びてきたんだろう。」
とこんな会話をした記憶がある。
何はともあれこのメドレーテープのおかげで、吉田拓郎の歌も徐々に覚えファンになり
最近では吉田拓郎関連の本を読み漁ってる始末である。
とその中で出会った一冊の本に興味深い記述があった。
拓郎のファンであったアルフィーが、覆面バンド‘BEAT BOYS’として
吉田拓郎のメドレーソングを発売し、そこそこヒットしたというのです。
もしやと思い、金沢工業大学のライブラリセンター内にある
PMCポピュラーミュージックコレクションで探すと
BEAT BOYS「スターズ☆オン23」というレコードを発見。
盤に針を落とすとまぎれもなく、Mさんから借りたカセットの音源と同じだったのです。
・・ということは、このメドレーはアルフィーのメンバーが拓郎を真似て唄ったもので
声が違うような気がしたのは、決してカセットの劣化ではなかったのか。
まぁ、拓郎の歌を知るきっかけになったといえばありがたいことですが、
モノマネで覚えてしまっていたとはマイッた。
でもヒット曲がすぐに風化する今の時代においては、
モノマネといわずとも名曲といわれる古い歌をせめてカバーすることで
若い世代にも新たなファンが増えたり、音楽そのものが見直されるのかもしれません。
ちなみにMさんのカセット音源は同じPMCのレコードからデジタル化したので
いずれエヌワンの放送でお耳にかかることもあるやもしれません。
ただし本家にはやはり逆立ちしてもかなわないか・・。