レナード・バーンスタインは、生涯をかけて世界で若手音楽家の育成に力を尽くしました。その偉大な音楽家の署名がフォルテのベーゼンに記されていることは、野々市町で音楽を志す若者たちを励ましているようで、実に意味深く、象徴的です。音楽が溢れる町にしようと頑張る“ののいちっ子”たちを、バーンスタインが温かく見守っているようです。
文化会館フォルテにベーゼンドルファーを入れることに尽力した木戸博也さんは、野々市町扇が丘でバイオリン教室を主宰しています。ここを本拠地に4年前、野々市町青少年管弦楽団(田村昌俊会長)を発足しました。
毎年5月にフォルテで定期演奏会を開く一方で、団員の小中学校・高校生たちが積極的に全国コンクールに出場して、第三者評価を得るようにしています。その結果、関西弦楽コンクールでは、毎年、上位賞を独占するようになりました。「将来はプロのバイオリニストになりたい」と目を輝かせる子もいます。
木戸さんはドイツ留学の経験があり、子どもたちにドイツでの体験を踏まえて音楽の素晴らしさと楽しさを伝えています。菅原小学校6年の田下梨伊奈さんは「木戸先生は一人ひとりのことを考えて熱心に教えてくれ、管弦楽団ではみんなで協力し合って一生懸命に前向きにお稽古しています」と話しています。
野々市町では、毎年11月、恒例の「ビッグ・アップル・イン野々市」を開催し、全国からファンが集まって来ます。「ジャズだけではなく、子どもたちにいろんな音楽を楽しんで欲しい」と、今年9月、小中高生を対象にしたバンドが立ち上がりました。
その名も「Jr.サンシャインバンド」。町情報交流館館長で金沢工大教授、そして、ジャズ通でもある竺覚暁さんが代表を務め、町内のジャズ愛好家がボランティアで指導しています。
「野々市町の中学校、高校ではブラスバンドが盛んです。近い将来、小学生が一緒になって演奏することを当面の目標にしています」と、事務局の古源恵美さん。また、バンドでは、楽器を貸していただける方を募っています。
サックスを始めた佐藤利樹くん(御園小学校5年)は「音楽が好きになったし、もっとサックスをうまくなって、バンドを有名にしたい」と張り切っています。