「ののいちっ子」がすくすく育って築く町の未来/情報交流館カメリアの活動から

 前号の「のっティ新聞第11号」(12月1日発行)では、子どもたちの目を科学技術や自然体験に向けさせようと活動している情報交流館カメリアの取り組みについてリポートしました。本号では、続編としてその後の取り組みと今後の予定について紹介します。

カメリア・キッズ/子どもたちがITを駆使して科学技術を身近に 第4-6回/「スクイークで君もデジタルクリエータだ!」

絵本づくりなどを熱心に

デジタルハリウッド大学大学院の宮坂俊夫さんを講師に招き、金沢工大の電子計算機研究会の協力で、「スクイーク」を使った作品づくりを行いました。スクイークとは、パソコンでデジタル絵画づくりを楽しみながら、算数や理科の概念が理解できる教育用フリーソフトです。基本的な操作方法と簡単なプログラミングの基礎を教わり、オリジナルのデジタル絵本づくりに挑戦しました。
  絵本づくりは、まず初めに、紙に絵コンテを書き、その絵コンテを元に、スクイークで1ページずつデジタル絵本を制作していきます。講座の時間以外でも、情報交流館カメリアのパソコンで熱心に制作を進める姿も見られました。

「スクイーク」による絵本づくり講座

家族の前で発表会

特別に金沢工大の講義室で1月 31日(土)に発表会が行われ、カメリア・キッズの家族も多数参加しました。緊張した面持ちで、西表やまねこが変身して旅する「山猫わらびのぼうけん」やロケットが競争する「ロケットvsロケット」など、それぞれの発想で独創的なデジタル絵本を披露しました。「ストーリーづくりに苦労した」「作成したキャラクターがなかなか思うように動かなくて大変だった」など、さまざまな経験と共に、生みだした作品について堂々と発表しました。

「スクイーク」の画面
第7回/「カメリア・キッズ記念品づくり」

みんなで記念のものづくり

カメリア・キッズの今年度の最終回です。パソコンとプリンターを活用して、記念となるグッズをつくりました。カメリア・キッズのロゴ入りTシャツ、エコバックの製作と自分でデザインした缶バッチづくりに挑戦しました。
  ロゴは、「ぱんぞう」や「のっティ」、金沢工大の「ドリバー君」など、これまでカメリア・キッズで登場したキャラクターが宇宙空間で勢ぞろいして遊んでいます。
  最終回を終えたキッズたちからは、「スクイークでいろんなものを描いたり、動かしたりするのが楽しかった!」「グーグルアースがとても楽しくて家でもやりました!」「パソコンでこんなおもしろいことができるなんて知らなかった。」など、たくさんの思い出ができたようです。保護者からは、「毎回参加することを楽しみにしていて、帰ってきてから体験したことを嬉しそうに話してくれました」「町内の他の学校の子どもたちとも交わることができてよい刺激になりました」など、大変好評でした。

カメリア・キッズ

町の古代・中世を体感

カメリア・パルの会が実施する「カメリア親子体験塾」。今回は「のっティ・タイムマシン」に乗って北部ルート歴史探訪の旅にでかけました。参加したのは町内の親子21人でした。
  フォルテでは椿の古木、臘月(ろうげつ)・白侘助(しろわびすけ)の由来と富樫家国像の説明を帆苅宏典さん(元野々市町文化協会会長)から聞きました。
  ふるさと歴史館の市村正則さんと御経塚縄文の会の方々から、古代の装飾品勾玉(まがたま)づくりを教わりました。
  とりどりの勾玉ペンダントを首からさげた一行は、展示室や竪穴式住居を見学し、野々市の生い立ちや私たちの祖先の暮らしぶり、生活の知恵を親子で学びました。

御経塚史跡公園

町の民話を紙芝居で

次は、野々市の中世の旅へ。のっティの車内は満員のため乗客同士は至近距離、ママさん同士の会話も弾みます。布市神社で由来を教わった後、水毛生家前、照台寺、喜多家前、郷土資料館と本町界隈のまち歩き。照台寺では、親鸞聖人お手植えと言われている藤の古木を見学。住職から「虎猫の御書」(野々市町文化財指定)を見せていただき、大阪摂津石山本願寺での虎猫の武勇伝を聞きました。
  郷土資料館では、「虎猫の御書」にまつわる民話「虎猫の手柄」を吉岡幸三さん(本町在住)の紙芝居で堪能。虎猫と大ねずみの対決シーンは「チューチュー!、にゃごーん!!」と臨場感たっぷりの語り口で、民話の世界に引き込まれるひとときでした。

歩いてこそ分かった歴史

古代から現代まで野々市の時間軸をたどった歴史探訪の旅。先祖の営みがあり、現代の私たちに繋がっていることを知り、いつもは見慣れた野々市町の風景もこの日は歴史の香りに包まれていました。
  野々市に古い歴史があることや、歴史を体験できる施設があることを初めて知ったという保護者も多く、「野々市に住んで10数年たつが、町の中を歩くことはほとんどなく、今回いろいろな歴史を知ることができました」などの感想が寄せられました。

今後も科学する心を育成

 情報交流館カメリアでは、子どもたちの創造の可能性を引き出しつつ、保護者の方の懸念とも向き合いながら、今後もメディアリテラシー(読み解き活用する力)を養い、科学する心を育てる取り組みを行っていく予定です。
 一方、野々市町にある二つの国指定史跡(御経塚遺跡、末松廃寺)を、もっと多くの町内外の人たちに知ってもらうために、コミュニティバス「のっティ」と連動した企画を継続して行いたいと思っています。

情報文化振興財団企画担当ディレクター・松田尚子(カメリア・パルの会 事務局長)

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